作品の土台となる銅製の素地の設計から、溶接・曲げ・切断加工を工房で自作できるため、既存の七宝の大きさや形にとらわれない新たな七宝作品づくりが可能になりました。粟根七宝は、新しい技術とまだ見ぬ表現を追求し続けています。
粟根七宝の特徴は、平面が一般的な七宝焼きのイメージを覆す、優雅な立体造形にあります。
七宝作品が完成するまでに数十回の焼成を行いますが、歪みなくぴったりと蓋が閉まる造形技術は、飽くなき研究と高い技術の結晶といえます。
デジタル技術を活用して、手書きでは表現しにくい幾何学模様を取り入れた近代的なデザインが粟根七宝の特徴のひとつです。
複雑で細やかな下絵に寸分の狂いなく銀線を置いていき、植線された柄の中に釉薬をさして、幾度も焼成を繰り返します。素地が特殊な構造をしているため、非常に難易度が高く、完成するには高度な技術を必要とします。